◇ 師走の穴ふたつ


先週末、旧友の訃報を知りお宅へ仏壇参りをした、「俺と同じ歳じゃん。」とそう思うと行くまでは実感がなかったが、
祭壇の黒い額縁に入った旧友の写真の顔を見て背中にジーンとするものが走った。
その数日前から仏壇参りは予定していたので 「週末には仏壇参りに行くぞ、行くぞ。」と思っていたせいか当日の夢に午前11時20分発のバスに乗って
紆余曲折しながらも友人宅まで行く内容の夢を見た。



しかし、実際に行ったのはマイカーであり、出掛けたのも昼1時頃だった、そのせいか祭壇前に手を合わせても死んだ旧友からは言葉はなかった。
当人は死んだんだから当たり前だけれども、僕よりもずっと若くして死んで行った若者の墓を参った時「よー来てくれなさったねえ。元気してましたか?」と聞こえた記憶がある。



そして家に帰り、はいていた靴下に五百円玉より大きい穴が両かかとに空いていたのを発見した、いつもは派手な靴下をはいているので、
今日ばかりは地味にと変えて行った。祭壇に手を合わせている時、しっかり僕の後ろに友人のお母さん、娘さんがいたはず。
後ろから祭壇で手を合わせている僕の靴下の穴を見てなんと思っただろう。
あとで「靴下の穴大きかったねえ。」なんて話になり、僕の印象が「穴の空いた靴下の人」となるんだろうかと想像すると、想像もしたくないが、
そんくらい大きい靴下の穴であった、それも二つ、真っ赤で派手でも穴が空いているよりましだった。
もし靴下をはいて人前で座るような場面があったら、その前に穴が空いてないか自分の靴下の裏を見た方がいいです、、、、経験者は語る。
- 関連記事
-
- ◇ ゆく年くる年 如意山乙宝寺の雪
- ◇ 久しぶりの慈光寺にて
- ◇ 師走の穴ふたつ
- ◇ 「ちい旅」風、新潟駅
- ◇ もろびとこぞりて